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子どもの個性を伸ばす保育の仕方とは?具体的な教育方法から注意点まで解説します

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保育をするうえでとても大切なのが「子どもの個性を尊重して成長させること」です。しかし、個性といっても子どもたちそれぞれ性格も違えば、得意不得意なことも違うのでどのように教育をすべきかわからなくなるという保育士の方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、子どもたちの個性を伸ばす保育の仕方を具体例とともに解説していきます。また、実際の保育へ取り入れる際の注意点も合わせて紹介しますので、「子どもたちにもっと自信を持ってもらいたい」や「他人に対して思いやりのある子になってほしい」と考えている保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.なぜ、子どもの個性を伸ばす保育が注目されているのか?

冒頭でも少し述べたように最近の保育では「子どもの個性を尊重して成長させる」ことが、かなり重要視されています。個性を尊重する教育が注目されている大きな理由としては、「SDGs(持続可能な開発目標)」という世界規模の国際目標に日本も積極的に取り組んでいるからです。

SDGsでは「『誰一人取り残さない』持続可能で多様性と包摂性のある社会」の実現を掲げており、その中でも特に人種や年齢、性別に関わらず一人ひとりの多様性を認めることが大切とされています。

したがって、子どもたちの人間性を育てる保育園では、特にお互いの個性を尊重し認め合えるような教育を行っていくことが求められているのです。しかし、人によっては「なんだか難しそうで、実践できるか不安…」と感じる方もいると思いますが、実際に意識することはそこまで多くないので安心してください。

2.子どもの個性を伸ばす保育で重要な3つの意識

「子どもの個性を伸ばす保育」を保育士が現場で実践するときに意識していただきたいことは、以下の3つだけです。

2-1.「個性=長所」ではない

一般的なイメージでは、個性があることは長所であると言われがちです。しかし、子どもたちが持っている個性は必ずしも長所ではないことを意識しましょう。

例えば、絵を描くのが上手だったり誰とでもすぐに仲良くなれたりすることは、いわゆる長所なのでその子の個性という認識で問題ないでしょう。ですが、あまり自分の意見を言えなかったりいつも一人で遊んでいたりすることも「その子の個性」なのです。

一見、短所に見えることでも子どもにとっては、過ごしやすかったり口には出さないだけでしっかり考えていたりするので、ネガティブイメージだからという先入観で接しないことが、結果的に子どもたちの個性を伸ばすきっかけなります。

2-2.子どもと一緒に楽しむ

保育園に通っている子どもにとって保育士は、保護者の次に身近な大人です。そのため、子どもたちと一緒に楽しんで、「すごいね」や「よくできたね」と認めてあげることが子どもたちにとても良い影響を与えます。

特に子どもたちが自分の個性を伸ばしていくには「自信」が必要です。したがって、保育士が子どもたちを認めてあげることは、子どもは自分の行動に対して自信を持ちやすくなるので、個性を伸ばす保育で「褒める・認める」という行為はとても重要な役割があります。

2-3.子どものペースに合わせて成長させる

子どもの個性を伸ばすと言っても一人ひとり性格や考え方も違うため、成長スピードが異なります。そのため、子どもの成長をサポートする保育士としては、子ども一人ひとりのペースに合わせて成長させることを意識するといいでしょう。

特に注意しなければならないのが、「あの子はできているのに…」という考え方です。たしかに保育園という集団行動を主体とする保育の場合、全体の様子を常に把握している保育士はどうしても子ども同士の成長スピードにおける違いが気になることもあるでしょう。

しかし、大人でも人それぞれ成長スピードが違うように子どもたちもそれぞれのペースがあります。したがって、全員合わせて一緒に成長させるのではなく、子ども一人ひとりのペースに合わせて成長させることを意識してみてください。

3.個性を伸ばす保育をするときの注意点3つ

子どもたちの個性を伸ばすための保育を実践するうえで、特に注意しなければならない点が3つあります。

  • 他の子と安易に比べさせない
  • 無理やり個性を伸ばそうとしない
  • 「個性を伸ばす」を建前にしない

上記を保育士がしっかりと意識してサポートしてあげることで、子どもたちは保育園で正しく成長することができるでしょう。

3-1.他の子と安易に比べさせない

保育園では基本的に集団行動をすることが多く、さまざまな子どもが一緒の教室にいます。そのため、何かで遊んでいても「〇〇君(ちゃん)はできるのに…」のように他の子と自分を無意識に比べてしまう子も多いです。したがって、保育士は他の子と自分をすぐに比較してしまう子に他人と比べる必要はないということをしっかりと伝えることを意識しましょう。

例えば、他の子ができて自分ができないことに劣等感を感じてしまいやすい子であれば、保育士が直接「気にする必要はない」ということを伝えてあげると子どもにとってはかなり楽になります。また、必要に応じて「先生と一緒に練習してみようか」のように保育士側から子どもに対してアプローチしてあげることも大切です。

3-2.無理やり個性を伸ばそうとしない

ここまで子どもたちの個性を伸ばすために必要なことを解説してきましたが、無理やり個性を伸ばす必要はありません。むしろ、無理やり伸ばそうとすると逆にやろうとしていたことが嫌いになったり、好奇心がなくなってしまったりすることがあります。

したがって、子どもが興味を持ったことに対して保育士は一旦見守り、本当に困っているときや助けが必要なときに手を差し伸べるようにしてみてください。

3-3.「個性を伸ばす」を建前にしない

これは先ほどの「無理やり個性を伸ばそうとしない」という注意点に近いですが、‘‘子どもの個性を伸ばす”ことを建前にしてさまざまなことを強制したりしてはいけません。

例えば、必要以上に「こうしたほうがいいよ」などの提案や世話を焼こうとすると、子どもは自由に遊んだり考えたりすることができなくなってしまいます。このように大人が良かれと思って接していても、子どもにとってはしがらみになる可能性もあるので、難しいですが注意しましょう。

安易に他の子と比べて劣等感を感じてしまうような子に対してはしっかりと手を差し伸べてあげることが大切です。ですが、先ほどから述べているように子どもの成長スピードは一人ひとり異なるので、保育士は子どもたちを見守ることも重要な役割になります。

4.個性を伸ばす保育を実践するための具体的な方法

具体例②タブレットを活用した遊びで考える力を伸ばす

最後に子どもたちの個性を伸ばす保育を実践するうえでの具体的な方法を3つほど紹介します。子ども一人ひとりの個性を伸ばすには、興味と好奇心がかなり重要になるので子どもたちが興味を持ちやすいものを設置したり、イベントを開催したりするとかなり効果的です。

4-1.具体例①「音」を使った体験をさせる

保育園では保育士がピアノを伴奏しながら歌を歌う機会があると思いますが、このように「音」を使った体験をさせるようにしてみてください。特に最近では歌だけでなく楽器を使って音楽に触れさせる保育園も増えてきており、さらに音楽を主体とした保育を実践する「リトミック保育」を取り入れるところも徐々に増加しています。

「音」という目に見えないものを日頃から子どもたちに体験させることで、子ども一人ひとりの表現力や集中力を養うことができるのです。また、音を使った経験は歌を歌ったり身体を動かしたりと耳だけでなく、全身を使って体験できるので子どもたちの感性を伸ばしてあげるにはぴったりでしょう。

4-2.具体例②タブレットを活用した遊びで考える力を伸ばす

最近ではスマホやタブレットなどが普及しているため、保育園児でも自宅でタブレットを使ってYouTubeなどの動画配信サービスを利用していることがあります。このように現在の子どもたちは、生まれた瞬間からインターネットやパソコンが身近にある「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。そのため、保育園でもタブレットを使って簡単なプログラミングやデジタル上で絵を描かせるのも子どもたちの考える力や表現力を伸ばすためにかなり有効でしょう。

ただし、タブレットを活用した教育については、先ほど紹介した「音を使った体験」などと比べてかなりコストがかかってしまいます。また、保育園の中でタブレット端末を利用した教育していくことを事前に保護者へ伝える必要も出てくるでしょう。

つまり、コスト面での懸念はありますが、導入できればデジタルネイティブである子どもたちの個性を伸ばせるきっかけを作りやすいのがタブレットを活用した教育なので、ぜひ検討してみてください。

4-3.具体例③自然とふれあう機会を設ける

先ほどとは逆にデジタルではなく自然とふれあう機会を設けてあげることも非常に大切です。前述したように今の子どもたちは、インターネットやアプリの利用などが当たり前にできる子ばかりですが、逆に自然などの「外」への興味がなくなりつつあることも事実としてあります。

例えば、休みの日は一日中タブレットを使って動画やゲームばかりやっている子どももかなり多いです。そのため、外に出ることで体験できることや遊び方などを知るタイミングあまりありません。

そこで、保育園でのお散歩や行事などを通して身近にある自然とふれあう機会を設けるようにすると良いでしょう。ただし、ここは先ほど解説したタブレットによるデジタル教育と真逆の考え方になるので、実際に取り入れる場合は子どもたちが混乱しないよう慎重に導入する必要があります。

5.まとめ:個性を伸ばすには子どもにさまざまな体験をさせましょう

今回は子どもの個性を伸ばすために必要な保育の仕方を具体例から注意点まで詳しく解説しました。「子どもの個性」という部分は、本当に一人ひとり異なっているものなので保育士としては子どもたちが伸び伸びと成長できるような環境づくりをしてあげることが1番のサポートになるでしょう。

そのため、「子どもたちの個性を伸ばせる教育をやらなきゃ」と無理に意気込んでしまうと逆効果に働いてしまう可能性もあるので、普段から一人ひとりを注意深く見守って必要な時に手を差し伸べるようにしてみてください。

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