保育園で秋の製作遊びをしたいけれど、どんなものを作ればいいのか悩んでしまう保育士さんもいますよね。また、子どもに製作遊びとして提供する前に、しっかりと事前準備をしておく必要もあります。
そこでこの記事では、秋をイメージさせる生き物・植物・食べ物をモチーフにした製作アイデアに分けてご紹介します。子どもにとって身近で親しみのあるものを選ぶことで、スムーズに制作活動に取り組むことができるでしょう。
秋ならではの温かみのある製作を楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてください。
秋の製作遊びを保育に取り入れるねらい
秋の製作遊びを保育に取り入れる際には、子どもにとって成長できる経験となるようしっかりとねらいを立てておきましょう。ここでは、秋の製作遊びのねらいの例を紹介します。
- 季節の移り変わりや、秋ならではの季節感を味わう。
- 秋の虫や花、食べ物に興味を持つ。
- 手先を使いながら、身近な素材で秋をイメージして作ることを楽しむ。
秋ならではのモチーフを取り入れることで、興味を持ったり季節感を味わったりすることにつながります。また、折り紙やクレヨンなどの身近な素材や道具を使って作ることを楽しむことで、手先が器用に動かせるようになります。
子どもが親しみを持てるようなモチーフを選び、意欲的に製作活動に取り組めるようにしましょう。
生き物をモチーフにした秋の製作遊びアイデア
秋に外で見かける虫や、季節ならではの生き物をイメージして作ることで子どもも興味を持ちやすいです。
トンボ
秋によく外で見かける虫と言えば、トンボです。子どもにとっても身近な生き物なので、親しみを持って製作することができるでしょう。
童謡『とんぼのめがね』を導入に用いるとより楽しい時間になります。
【用意するもの】
- 工作用紙
- カラーセロハン
- クリアファイル
- 割り箸
- シール
- ハサミ
- のり
- 油性ペン
- 両面テープ
【作り方】
1.クリアファイルに油性ペンで好きな羽の模様を描いたりシールを貼ったりしてから、羽の形に切る。
2.割り箸に油性ペンで好きな模様を描く。
3.穴を開けた工作用紙にカラーセロハンをのりで貼ってめがねの形に切り、好きな模様を描く。
4.両面テープで羽、胴体、目をそれぞれ貼りつけて完成。
サンマ
秋の味覚、サンマです。子どもにとっては「魚」とひとくくりになりがちですが、「サンマ」という秋に美味しい魚があるということを知るきっかけにもなります。
給食にサンマが出る日を狙って作ることで食育にもつながるでしょう。
【用意するもの】
- 画用紙(白、グレー)
- アルミホイル
- 油性ペン
- ハサミ
- のり
【作り方】
1.白い画用紙をサンマの形に切る。
2.切った画用紙にアルミホイルを巻きつける。
3.油性ペンで目、背中とお腹の青い線を書く。
4.グレーの画用紙をヒレと尾の形に切り、のりで貼りつけて完成。
ミノムシ
秋から冬にかけて外で見つかるミノムシも製作遊びとしておすすめです。折り紙をハサミで切ったり手で割いたりと、成長に合わせて手先を使った動きを取り入れましょう。
「寒いからたくさんお洋服着せてあげようね」などの声かけをすると、きっと子どものやる気もアップしますよ。
【用意するもの】
- トイレットペーパーの芯
- 折り紙
- 丸シール
- ハサミ
- のり
- 油性ペン
- 麻紐
- 穴あけパンチ
【作り方】
1.折り紙を細長く切る。
2.トイレットペーパーの芯にのりを塗って折り紙を貼りつけていく。
3.丸シールに油性ペンで目を描いて貼る。
4.穴あけパンチで開けた穴に麻紐を通して縛って完成。
フクロウ
秋の夜長をイメージさせるフクロウは、子どもにとっても不思議な存在です。普段見ることがないけれど、絵本の中などに出てくるフクロウをイメージすることできっと親しみを持って製作できるのではないでしょうか。
紙をちぎる指の動きは、手先が器用になるメリットもあります。
【用意するもの】
- 画用紙(白、黒、茶、オレンジ)
- 絵の具(茶)
- ハサミ
- のり
- シール
【作り方】
1.白い画用紙をフクロウの形に切る。
2.茶色の画用紙を細かくちぎり、のりでフクロウの紙に貼りつけていく。
3.白と黒の画用紙で目、オレンジの画用紙でくちばしと足の形に切ってのりで貼る。
4.茶色の絵の具を手に塗って手形を取り、乾いたら貼る。
5.黒い画用紙を台紙にして、完成したフクロウを貼った周りに星や月のシールなどで飾りつける。
植物をモチーフにした秋の製作遊びアイデア
続いては、植物をモチーフにした秋の製作遊びのアイデアをご紹介します。園庭や公園で遊んでいる時に見つけたり、遊びに取り入れたりする身近な木の実や花をイメージすることで子どもも喜ぶでしょう。
どんぐり
秋と言えば、どんぐりを思い浮かべますよね。子どもも外に落ちているどんぐりを探すのが大好きなはずです。
童謡『どんぐりころころ』を導入して歌うと、より楽しく製作に取りかかれておすすめですよ。
【用意するもの】
- クラフトペーパー
- 紐(紙製の紐、毛糸など)
- 丸シール
- 画用紙
- ハサミ
- 両面テープ
- 麻紐
- アイスの棒
【作り方】
1.クラフトペーパーを丸めてどんぐりの形にする。
2.帽子部分に両面テープを貼り、好きな色の紐を巻きつける。
3.丸シールを貼って目と口、模様にする。
4.アイスの棒に麻紐を結び、どんぐりを吊るす。
5.画用紙を葉っぱの形に切り、好きな場所に飾りつけて完成。
コスモス
ピンクのきれいな花が咲くコスモスは、飾ると保育室がパッと明るくなります。
スポンジを使うことで淡く繊細なお花のイメージが再現できます。ポンポンと絵の具をつける感触が楽しいので、子どももきっとたくさん作りたくなりますね。
【用意するもの】
- 紙皿
- 画用紙(茶色、緑など)
- スポンジ
- 絵の具(赤、ピンク、紫、黄色など)
- ハサミ
【作り方】
1.紙皿の真ん中をコスモスの形に切り抜く。
2.画用紙の上にコスモスの型を置き、絵の具をつけたスポンジで上からスタンプして色をつける。
3.コスモスの真ん中に黄色い絵の具をスタンプして完成。
紅葉
秋になると紅葉して赤や黄色の世界が広がります。そんな景色をイメージしながら、スタンプでたくさんの紅葉や落ち葉を再現するのもおすすめです。
手形やアルミホイル、トイレットペーパーの芯など複数用意することで、色のつき方の違いを楽しめますよ。
【用意するもの】
- 画用紙(白)
- 絵の具(茶色、黄色、赤、オレンジなど)
- アルミホイル
- トイレットペーパーの芯
- クレヨン
【作り方】
1.白い画用紙の真ん中に茶色い絵の具で手形を取る。
2.アルミホイルを丸めたものと、トイレットペーパーの芯の両端を折り曲げたものをスタンプにして絵の具で紅葉を描く。
3.乾いたら、クレヨンで木の実や動物を好きに描いて完成。
松ぼっくり
子どもと一緒に拾った松ぼっくりを製作に取り入れるのも楽しみの一つです。
自分で見つけたものを使うとより愛着が湧くでしょう。くま、りす、うさぎなど自分の好きな森の動物をイメージします。
【用意するもの】
- 松ぼっくり
- 茶色の粘土(または白い粘土に茶色の絵の具を混ぜたもの)
- 目や鼻のパーツ(工作用の目またはビーズなど)
- 画用紙(茶色、赤、黄色、オレンジなど)
- モール(茶色)
- ボンド
- もみじの型抜き
【作り方】
1.茶色の粘土で好きな動物の顔の形を作る。
2.ボンドで目や鼻、口をつける。
3.松ぼっくりを体にして顔を乗せ、モールでしっぽを作る。
4.もみじの形に型抜きした画用紙を好きに飾りつけて完成。
食べ物をモチーフにした秋の製作遊びアイデア
最後に、食べ物をモチーフにした秋の製作遊びアイデアをご紹介していきます。
とくに「食欲の秋」という言葉通り、秋は美味しい食べ物がたくさんあるため、子どもたちにとっても身近に感じやすく、意欲的に取り組めるでしょう。
ぶどう
子どもの大好きなぶどうは喜ぶこと間違いなしです。
画用紙をクルンと丸めることで、立体感のある美味しそうなぶどうができあがります。
ホチキスなど危険な部分は保育者が行いましょう。
【用意するもの】
- 画用紙(紫、青、緑など)
- えんぴつ
- ハサミ
- ボンド
- ホチキス
- クラフトペーパー
【作り方】
1.2㎝幅に細長く切った画用紙を、えんぴつに巻きつけて丸めぶどうを作る。
2.ぶどうの形に切った画用紙にボンドを多めにつけ、丸めたぶどうを乗せる。
3.葉っぱは、3枚に重ねた画用紙を同じようにえんぴつに巻きつけて丸め、半分に折ってホチキスで止める。
4.クラフトペーパーをねじって木の幹を作り、ぶどうの房と葉っぱをつけて完成。
きのこ
「デカルコマニー」という製作法を取り入れてきのこを作ります。導入で童謡『きのこ』の歌を歌ったり、踊りを踊ったりしても盛り上がるでしょう。
いろいろな形のきのこがあることを話せば食育にもつながりますね。
【用意するもの】
- 画用紙(カラフルでも色味を統一しても可)
- 絵の具(画用紙に合うもの)
- 筆やタンポ
- シール
- ハサミ
- のり
- クレヨン
【作り方】
1.画用紙をきのこの笠の形に切り、半分に折る。
2.半分に筆やタンポで絵の具を乗せ、画用紙を折りたたんで上から押す。
3.広げて乾かせばデカルコマニーのできあがり。
4.きのこの石づき部分にシールまたはクレヨンで顔を作り、笠部分とのりで貼り合わせて完成。
くり
秋の味覚と言えばくりも欠かせません。子どもにとってはトゲトゲのイガグリが印象的なので、トゲ部分も製作に取り入れると「チクチクするんだよね」など関心が高まるでしょう。
【用意するもの】
- 画用紙(茶色、ベージュ)
- 絵の具(茶色)
- 折り紙(黄色、オレンジ)
- ハサミ
- のり
- クレヨン
【作り方】
1.画用紙をくりの形に切り、下の部分に絵の具で指スタンプをする。
2.クレヨンや切った画用紙などで顔を作り、紙皿に乗せる。
3.折り紙を細長く切ったものをトゲに見立て、周りに貼りつけて完成。
柿
秋の旬の果物である柿をモチーフとして製作遊びもおすすめです。絵本『さるかに合戦』を読み聞かせたあとに製作に取りかかれば、まだ青い柿や食べごろの柿に興味津々になるのではないでしょうか。
【用意するもの】
- 発泡スチロール
- 絵の具(オレンジ)
- 筆
- 画用紙(緑、茶色)
- ボンド
【作り方】
1.発泡スチロールにオレンジの絵の具を筆で塗って乾かす。
2.乾いたら手で割って柿の形にし、画用紙で切ったヘタをつける。
3.カゴの形に切った画用紙にクレヨンで模様を描き、ボンドで柿を貼りつける。
4.画用紙で葉っぱの形に切ったものを好きに飾りつけて完成。
まとめ
秋の生き物・植物・食べ物をモチーフにした製作アイデアをまとめました。季節感の出る色味や素材を使って製作を楽しむことで、保育室が一気に秋ムードになりますね。
身近なものをモチーフにすることで子どもが興味を持ちやすく、より親しみが深まる経験となるでしょう。また、夢中になって作っていると自然と指先を使うので手先が器用になることも期待できます。
絵本や童謡を導入に用いて子どもの関心を高めながら、意欲的に取り組める工夫をするのがおすすめです。ぜひ今回のアイデアを参考にして、子どもと一緒に作りながら秋を存分に楽しんでくださいね。