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保育士になるためには?方法や資格取得、試験の内容を徹底解説

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保育士を目指そうとしても「保育士になりたいけど、具体的に何から動いていけばいいのかわからない…」といったように、少しイメージしづらいと思います。

そこで、今回は保育士になるための方法と資格取得のために必須となる試験の内容を徹底解説します。

また、記事の後半には保育士資格に関するよくある質問にも答えていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1 保育士になる3つの方法

保育士になるには、主に以下の方法で資格を取得することができます。

  • 方法①指定の保育士養成学校を卒業
  • 方法②一般大学短大専門学校のいずれかを卒業
  • 方法③児童福祉施設での実務経験を積む

保育士資格は、方法①の国が指定している学校であれば、卒業と同時に資格を習得することが可能です。一方、方法②と方法③の場合は、「保育士試験の受験が必要」になりますので、覚えておきましょう。

それでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。

1-1 方法①指定の保育士養成学校を卒業

保育士になるための1番早い方法は「保育士養成学校を卒業すること」です。

この保育士養成学校とは、厚生労働省が指定している[大学/短大/専門学校]のことを指します。

また、保育士養成学校へ通う大きなメリットとして、卒業と同時に保育士資格が取得できる点があります。そのため、卒業後などに保育士試験を改めて受験する必要がなくなり、スムーズに就職することができます。

ただし、保育園の中でも公立保育園で勤務を希望する場合は、地方公務員という立ち位置になるため、別途「公務員試験」を受験する必要がありますのでご注意ください。

1-2 方法②一般大学/短大/専門学校のいずれかを卒業

2つめの方法は、先ほど解説した「厚生労働省が指定した学校以外の学校」を卒業することです。

例えば、保育士とはあまり関係のない学部学科の大学へ進学してしまったとしても、以下の条件をしっかりと満たすことで、保育士試験への受験資格を得ることができます。

  • 大学/短大/専門学校のいずれかに2年以上在籍している
  • 62単位以上修得できている

ここで注意していただきたい点が、「2年以上在籍」という条件です。

特に短大と専門学校は2年間在籍することで卒業となる学校が多いため、万が一「中退」してしまうと、保育士試験の受験資格がなくなってしまう可能性もあるので要注意です。

1-3 方法③児童福祉施設での実務経験を積む

3つめの方法は、国から指定されている児童福祉施設で実務経験を積むことです。

ちなみにこの方法は、主に「高卒」で大学や専門学校などに通っていない人が対象になります。

学校が保育専門かどうかに関わらず、大学(短大も含む)または専門学校を卒業している人は、すでに保育士試験の受験資格を持っているので、実務経験は不要になります。

また、ここで言う「児童福祉施設」とは、児童福祉法に定められている11の施設を指します。

児童福祉法における児童福祉施設一覧

助産施設
乳児院
母子生活支援施設
保育所
幼保連携型認定こども園
児童厚生施設
児童養護施設
障害児入所施設
児童発達支援センター
児童心理治療施設
児童自立支援施設及び児童家庭支援センター

引用:e-GOV法令検索/児童福祉法(第七条)

上記の児童福祉施設で、「2年以上かつ、2880時間以上の実務経験」を積むことで受験資格を得ることができます。

2 保育士になるためには「資格取得」が必須

正直、無認可保育園であれば保育士資格がなくても勤務することは可能です。では、なぜ保育士資格の取得を強くおすすめしているのか理由を解説します。

2-1 理由①資格がないと正社員になりにくい

1つめの理由は、正社員になりにくいからです。

保育士資格が無いと保育士と名乗ることができないため、資格を持っている保育士と比べて携われる仕事が少なくなります。そのため、保育士資格を持っていない人のほとんどが、パートまたはアルバイトのような非正規雇用として採用されています。

また、国が定める基準を満たして運営している「認可保育園」の場合は、保育に携わる人全てが保育士である必要があるため、資格を持っていないだけで自動的に就職先も狭くなってしまいます。

2-2 理由②給与が低くなる

2つめの理由は、単純に給与が低くなるからです。

先ほど解説したように保育士資格を持っていないと、保育士として勤務ができないので、ほとんどが非正規雇用として勤務します。

保育士の正社員であれば、固定給とボーナスが通常の一般企業同様に支払われます。ですが、非正規雇用だと給与が時給換算で、ボーナスも基本的にはありません。

保育士資格の有無による給与の差

雇用形態 正社員 非正規雇用
保育士資格の有無 あり なし
ボーナス(賞与) あり なし
給与 平均23万円/月 時給800〜1200円

正社員と非正規雇用の給与の比較としては、このようになります。

なので、保育士を目指すのであれば「保育士資格」は、ぜひ取得しておきましょう。

3 保育士試験の試験内容とは?

保育士試験を突破するためには、「筆記試験」と「実技試験」に合格する必要があります。

筆記試験と実技試験ともに年に2回実施されるので、しっかりと対策をしてチャンスを掴みましょう。

3-1 筆記試験の内容

筆記試験は、「保健原理」「教育原理」「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」の9科目から出題されます。

出題形式は全てマークシート形式で、「100満点中60点以上」が合格のボーダーラインになります。ただし、9科目全てを一度に合格できなくても合格科目の有効期限が3年間あるため、有効期限内に不合格科目だけ再受験することも可能です。

また、今まで実施された筆記試験の過去問は、全国保育士養成協議会の公式HPにて公開されています。
>>全国保育士養成協議会HP/過去の試験問題

3-2 実技試験の内容

実技試験は大きく3つに分かれており、「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3科目から2つを選択して受験をします。

令和元年に出題された実技試験内容は以下のとおりです。

3-2-1 例)音楽表現に関する実技

試験内容 ・幼児に歌って聞かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする

・課題曲は「どんぐりころころ」/「バスごっこ」

・演奏する際は、ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで行う

引用:全国保育士養成協議会/過去の試験問題/令和元年実技試験概要

音楽表現の実技では、課題曲に対して弾き歌いができるかどうかが評価されます。特に歌、伴奏技術、リズム感など保育士にと必要な表現力を身につけられているかが重要です。

また、演奏する楽器に関しては、ピアノ以外にもギターやアコーディオンが選択できますが、試験対策としていずれかの楽器に絞って練習をしておきましょう。

3-2-2 例)造形表現に関する実技

試験内容 ・保育の一場面を絵画で表現する

・問題文と条件は試験当日に提示される

・試験時間は45分で、解答用紙はA4版の紙

引用:全国保育士養成協議会/過去の試験問題/令和元年実技試験概要

造形表現の実技では、試験当日に提示される問題文で設定された一場面を表現します。絵画を描く際は、鉛筆または色鉛筆を使用し、水分を含んだインクやクレヨン、マーカーペン等は使用不可なので注意しましょう。

3-2-3 例)言語表現に関する実技

試験内容 ・3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う

・お話は「おむすびころりん」「ももたろう」「3びきのこぶた」「3びきのやぎのがらがらどん」の4つから選択する

引用:全国保育士養成協議会/過去の試験問題/令和元年実技試験概要

言語表現に関する実技では、昔話を子どもたちが集中して聴けるように身振り・手振りも加えつつ、工夫して話をまとめる技術が必要になります。

とはいえ、3つ全ての科目を受ける必要はないため、自分が1番自信のある実技を事前に2つ選んでおき、しっかりと対策するようにしましょう。

また、注意点としてどの実技試験でも不正行為を行ってしまうと不合格になるだけでなく、受験した年の試験から数えて3年以内の期間は、受験自体ができなくなってしまうので要注意です。

しっかりと試験概要を熟読し、ポイントと不正行為を把握しながら試験対策をしましょう。

4 【Q&A】保育士資格に関するよくある質問

最後に保育士を目指すにあたって、よくある質問に答えていきます。いずれも疑問になりやすいものばかりなので、ぜひ参考にしてください。

4-1 Q:ピアノを弾けないと保育士になれませんか?

A:なれます

この質問は非常に多いです。たしかに保育士さんは、ピアノも弾きながら歌も歌って…というイメージが先行しがちですよね。

ですが、実技試験は選択制でさらに音楽表現に関する試験も「ピアノ限定」というわけでもありませんので、ピアノが弾けないからといって決して諦める必要はありません。

4-2 Q:保育士資格を取得すれば公立保育園にも勤務できますか?

A:保育士資格のみでは、勤務できません。

公立保育園で勤務している保育士は、「地方公務員」という立場になるため保育士試験だけでなく、別途「公務員試験」も受験する必要があります。

ただ、企業が運営している保育園は公立ではありませんので、保育士資格を持っていれば問題なく就職することができます。

4-3 Q:幼稚園教諭免許も取った方がいいですか?

A:必須ではないですが、できれば取得した方がいいです。

もちろん保育士資格があれば、問題なく正社員として就職することができます。ですが、その後のキャリアとして園長などを目指すためには幼稚園教諭免許が必要となりますので、取得できるのであれば取っておいて損はありません。

また、保育士と幼稚園教諭の両方の資格と持っていると「認定こども園」での勤務ができるようになる上に、給与面や転職する際にも非常に有利です。

4-4 Q:保育士試験の受験資格に年齢制限はありますか?

A:年齢制限はありません。

保育士試験には、「20歳以上」という下限はありますが、年齢制限は設けらていないので、たとえ40代や50代以上だったとしても受験することができます。

むしろ、30代や40代など子育てを経験したあとに保育士を目指して資格を取得する人も多くなってきていますので、年齢はそこまで気にする必要はありません。

4-5 Q:保育士試験の日程を知りたい。

A:全国保育士養成協議会HPに最新の試験日程が記載されます。

5 まとめ

今回は保育士になるために必要な資格と試験内容について解説しました。

ぜひ保育士資格を取得して、正社員として就職できるよう計画的に行動していきましょう。本文でも解説したように、保育士専門の学校に進学をしていなくても試験対策をして合格できれば保育士になれます。

改めて保育士になるための方法を表でまとめておきます。

進路 資格取得の方法
国が指定する保育士養成学校に進学する 卒業と同時に取得
指定外の大学/短大/専門学校に進学する 2年以上在籍し、62単位以上修得する。その後、保育士試験を受ける
児童福祉施設で実務経験を積む 2年以上の在籍と2880時間以上の実務経験を経て、保育士試験を受ける

保育士資格の取得のためにするべきことを本記事を繰り返し読んで、計画的に準備していきましょう。

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