待機児童解消のために、どの保育事業所でも保育士確保は最優先の課題です。
保育士資格を持っているけれど保育士にはならなかった、保育士としてはたらいたけれど事情があってやめてしまったという方も多くいます。
保育士・保育所支援センター設置運営事業は、潜在保育士と保育所をつなぐ地域の中心的なセンターです。
本記事では保育士・保育所支援センター設置運営事業を徹底的に解説します。
保育士・保育所支援センター設置運営事業の概要
保育士・保健所支援センター設置運営事業は、新規保育士や潜在保育士を効率的に雇用していくための地域の中心的なセンターを運営していく事業です。ここでいう潜在保育士とは、保育士資格を取得している方の中でも、保育園や認定こども園といった保育に関連する施設に就業していない方を指します。
現在、保育をめぐる環境は、待機児童解消にむけた保育士の確保が課題となります。どの保育所でも、良い保育士をマッチングさせることに苦労しているかと思います。
保育士保育所支援センター設置運営事業では、潜在保育士に対して再就職相談や就職あっせん、求人情報の提供をしたり、人材バンク機能として離職した保育士の名簿登録をおこないいスムーズな保育士復帰を支援したりする事業をおこなっています。
保育士・保育所支援センター設置運営事業の内容は3つ
保育士・保育所支援センター設置運営事業では、潜在保育士や新たな保育士志望者と保育所を結びつけていくことを目指します。
本センター運営事業としては次の3つの事業を中心におこないます。
保育士の就業継続に向けた相談支援
保育士・保育所支援センターでは、現職保育士に対して就業支援に向けた「相談支援」を実施します。
現職保育士であってもその時々の環境によって、現在の保育園を変えたり、現在の仕事を継続していくのを考えたりする人もいるでしょう。
そのため、現職保育士を対象に保育士宿舎借り上げ支援事業や保育所入所における優遇措置などより働きやすい制度を紹介したり、場合によっては転職支援をおこなったり、人材活用を推し進めています。
さらに保育士以外の人材として保育補助者や保育支援者と保育園をマッチングさせるためサポートも実施可能です。
保育士の就職相談会実施支援
保育士保育所支援センターを設置する場合、市町村とシルバー人材センターと合同で実施する就職相談会に関わる経費が国から補助されます。
とくにシルバー人材は、これまで駐車場整理や公園の環境整理の仕事など紹介する仕事が限定的でした。
しかし、現在はシルバー人材であっても保育士確保の重点化から、 定年退職した方や恒例となった方でも保育支援者として活用する流れがあります。
そのため、シルバー人材が保育所で働くための不安なことやこれまでの事例等を紹介しながら、新たな担い手として保育園とマッチングさせるために発生する費用も補助してもらうことが可能です。
保育士・保育所支援センターの情報発信機能強化
潜在保育士の掘り起こしをおこなうための情報発信機能についても強化することができます。
保育所ごとに求めている保育士や保育支援者のニーズは異なってくるでしょう。
それぞれの自治体の保育所等を巡回して求人情報を集めたり、現場のニーズを聞いたりして、どのような人材を必要としているのかを調べます。
調べた情報を元に、センターに寄せられた人材情報と現場の保育園で合う保育士やスタッフのマッチングを進めていくことが可能です。
保育士・保育所支援センター設置運営事業の補助基準額
補助基準額を次の通りです
保育士保育所支援センター運営費 | 720万円 |
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保育士再就職支援コーディネーター雇上費
※マッチング実績が年間50件以上ある場合 |
400万円
※マッチング実績が年間50件以上ある場合400万円を加算 |
復職前研修実施経費 | 46万9千円 |
離職した保育士等に対する再就職支援 | 611万9千円 |
マッチングシステム導入費 | 700万円 |
保育士登録簿を活用した就職支援 | 366万4千円 |
支援センター設置運営事業では、保育士と保育所を繋げるために離職保育士へのはたらきかけやICTの導入など、さまざまな施策を講じていることがわかります。
事業内容例
次の図は保育士・保育所支援センター設置運営事業が、新規保育士や離職保育士などを繋げるための取り組み例です。
まとめ
現在、どの保育所でもニーズのあった保育士を雇用するのは大きな課題です。
保育士・保育所支援センター設置運営事業は、養成校から卒業した保育士やまだはたらいていない保育士、離職した元保育士を保育所と結びつける役割を果たす機能を持っています。
潜在保育士と保育所の最適なマッチングをすすめていくためにも保育士・保育所支援センターを活用することをご一考ください。