普段の保育の中で、何気なく取り入れている折り紙遊び。手軽にできるあそびの1つですね。折り紙遊びが大好きな子どもも多いのではないでしょうか。
手軽に子ども達と楽しむことのできる折り紙遊びですが、保育としてのねらいを意識するのも大切です。
この記事では、折り紙を保育に取り入れるときのねらいと具体的なアイデアを紹介します。
保育で折り紙を取り入れるねらいとは?
折り紙を保育に取り入れる大きなねらいは、以下の5つです。
②折り紙を通して、その時々の季節を感じて興味を持つ
③折り紙で何かを作る課程を通して、物事を順序良く考えてみる。
④指示を聞いて行動する力を養う
⑤集中力や忍耐力を養い、想像して製作することを楽しむ
折り紙遊びは、保育に取り入れる遊びの中でも手軽にできるものの1つです。
しかし、折り紙が保育としてどのようなねらいが期待できるのかあまりイメージできない方も多くいます。
そのため、上記のような保育におけるねらいを意識して取り入れることで、単なる遊びだけで終わらず、子どものたちの成長を促すものになるでしょう。
折り紙を保育に導入する時に気を付けたい3つのポイント
折り紙遊びをする時にはねらいと一緒に、配慮するべきポイントもしっかりおさえておきましょう。気を付けたいポイントを意識することで、折り紙もスムーズに進められます。
年齢や発達に合った内容か
年齢や発達に合った内容かを確認しましょう。今の発達で実際に折ることができるのか考えるのはもちろんです。
加えて、折り紙で折るものが子どもたちになじみのあるものかも配慮しましょう。実際に実物を見たことがない、触れたことがないものを折り紙で折ろうとしても、イメージがつきにくいです。
あまり馴染みのないものを作る場合には事前に絵本や紙芝居で実物を見せるなど、事前の導入が重要になります。
季節感や製作するタイミングは適切か
折り紙を保育に組み込む場合、季節や行事に合わせて、取り入れていくのが良いでしょう。
季節や行事に合わせて取り入れるのはもちろんですが、装飾をするタイミングも考えることが大切です。
また、折り紙遊びをすると決めるのと同時に「どのように飾るのか」「展示期間はどれくらいとれるか」「どのタイミングでどのように返却するのか」も計画しましょう。
例えば、ハロウィンに合わせて折り紙をする場合、行事が10月31日だからといって、10月後半に作り始めては間に合いません。10月の月案計画をたてる時にハロウィンに向けた折り紙遊びの計画をしっかりとたてることが必要でしょう。
折り紙遊び前後の活動も一緒に考えているか
折り紙遊びを取り入れるのであれば、前後の活動にも繋がりを持つと良いでしょう。
折り紙で折る予定の生き物は、実際に触れたり、絵本で見たりする時間を設けるのもおすすめです。子ども達がイメージしやすくなること間違いないでしょう。
また、折り紙後の活動も大切です。折ることが楽しく、再度自分で折ってみたいという子もいます。
活動後の自由あそびで、折り紙に触れられる機会を設けたり、作った折り紙の作品を一緒に装飾をしたりと、活動後にもワクワクできる活動を考えてみてもよいでしょう。
10月におすすめの簡単折り紙製作16選
10月におすすめする簡単な折り紙遊びをご紹介します。
ぶどう
【作り方】4~5歳児
- 折り紙1/2サイズを4枚準備する
- 白い面を上に1/2にした折り紙を横が長辺になるようにおく
- 上から下に半分に折り、折り目をつけてひらく
- 4つの角を真ん中に向かって折る
- 真ん中で横半分に折る
- 中心側の上下の角を中央に向かって折り目をつける。斜めの折り目がつく
- 6で折り目をつけた斜めの線に合わせて中折りする
- 開いていない方の角を中心に向かって折り戻す
- 同じ角を8でつけた折り目に向かって折る
- 8の折り目で折る
- 折っていない角の反対側を開き、折り目にそって折りたたむ
- 全ての角(6つ)を折り、丸くする
- 裏返すと、ぶどうの粒が2つ重なったような形になる
- 上のパーツを4つ作り、ぶどうに見えるように貼り合わせる
- 茶色の画用紙で枝を作り、一緒に貼り合わせて完成
きのこ
【作り方】3~5歳児
- 折り紙1枚を準備する
- 白い面を上にしておく
- 右から左に半分に折り、そのまま上から下に折って、折り目をつける
- ひらいたら真ん中に向かって上2つの角を折り、裏返す
- 下の面を上の角に向かって折り、ひらく
- 下の面を真ん中の線に向かって折り、裏返す。(家のような形になります)
- 右の面を真ん中の線に合わせて折る。左の面も同様に折る。
- 下から上に向かって、半分に折る
- 白い部分から下に折り返す
- 右左の横の面を中央に合わせて折り、ひらく
- それぞれの角(5つ)を折り、角を丸くする
- 裏返して完成
くり
【作り方】2~5歳児
- 折り紙1枚を斜めに切った(三角)ものを1枚準備する
- 色のついた面が上向きで長辺が下になるようにおく
- 長辺を下から3㎝程のところを折り、裏返す
- 短辺の真ん中の部分を目安に下の角を長辺に平行にを折り合わせる
- 左右両方折る
- 下の角2つを折り、角を丸くして完成
かき
【作り方】4~5歳児 ※はさみの部分を保育士が行うのであれば、3歳児~
- 折り紙2枚、はさみ、のりを準備する
- ヘタの作り方。白い面を上にして3等分に折りひらく
- 上の折りすじに合わせて左の角を三角に折る
- 折った部分をはさみで切る。小さな正方形の折り紙ができる
- 白い面を上にして、三角に半分に折る
- さらに半分に折る
- 1度だけ開いて、三角下の中央をおさえて斜めに折る
- 斜めに折った部分を折り返す。反対も同様。
- 上下向きをかえて下の角と上の角を合わせて折るとヘタの完成
- 実の部分の作り方。白い面を上にして三角に半分に折る
- 面に合わせて両角を上に折る
- 上下の向きをかえて、下面を少し折る
- 左右の角も少し折り、丸くする
- 裏返して、ヘタをのりづけしたら完成
どんぐり
【作り方】3~5歳児
- 折り紙2枚を準備する
- 下の部分の作り方。白い面を上にして三角に半分に折り、ひらく
- 反対方向にも三角に半分に折る
- 真ん中の線に合わせて、3つの角を折る
- 4つ目の角は真ん中まで折らず、少し折る
- 上(どんぐりの帽子)の部分の作り方。白い面を上にして三角に半分に折る
- 少し上の角を出すようにもう1度折る
- さらにもう1度、角を折り曲げる
- 上と下のパーツを合わせて、上のパーツの長い角でくるむように折る
- 角を折って丸くしたら完成
いちょう
【作り方】5歳児
- 折り紙を1枚準備する
- 白い面を上にし、角が上にくるように折り紙をおく
- 下の角を上の角に合わせて折る
- 左右の角を折って、折り目をつける
- 左右の斜めの面を中心の折り目に合わせて折る
- 上の角を下の角に合わせて折る
- 6で折った下の角を上から2㎝程出して折る
- 3の状態までひらいて戻す
- 下から1本目の折り目で下へ折る
- 9の状態の横の折り目で上へ折り返す
- 折り目にそって、左右を閉じる
- 裏返して、上下の向きを変える
- 上の2つの角を中心に合わせて折る
- 上の真ん中の切れ目を少し斜めに折る
- 下の2つのくぼみから左右の角の下まで折る
- 裏返したら完成
もみじ
【作り方】5歳児
- 折り紙を1枚準備する
- 白い面を上にし、角が上にくるように折り紙をおく
- 下の角を上の角に合わせて折り、ひらいて折り目をつける
- 向きを変えて同じように折り目をつける
- 左右の面を真ん中の線に合わせて折り、裏返す
- 下の角を上に合わせて折る
- 裏返して、隙間の部分をひろげる
- 折り目通りに真ん中の線に合わせて角を折る、反対側も同様
- 向きを変えて裏返す
- 上の1枚のみを半分に折り、裏返す
- 上の角の2つの部分を下に折る
- 11で折った角を斜めに折り上げる
- 下の角を上の角に合わせて折る
- 上の1枚を下の面から少し角が出るように折る
- 横の角(2枚重なっている部分)を淵に添うように折る。反対側も同様に折る
- 裏返して完成
とんぼ
【作り方】3~5歳児 ※はさみ、のりの部分を保育士が行うのであれば2歳児~
- 折り紙(7.5㎝)2枚、はさみ、のり、丸シール(白)を準備する
- 体の作り方。長方形半分に折り目をつけ、折り目にそって切る
- 半分に折り細長くし、さらに半分に折る
- 横に半分に折る
- 羽の作り方。白い面を上にして、半分に折る
- もう1度折って、四角く折り目をつける
- はさみで切って、1/4サイズの折り紙にする
- 白い面を上にして横半分に折り、折り目をつける
- 真ん中から少し隙間をあけて、上と下の角を合わせる
- 4つの角を山折りにし、丸みをつける
- 体の内側にのりをつけてはさみ、目をつけたら完成
バッタ
【作り方】3歳児~
- 7.5㎝の折り紙1枚を準備します
- 白い面を上にして、三角に半分に折ります
- もう1度半分に折り、折り目をつける
- 折り目に合わせて左右の角を折る
- 向きを横にして、真ん中を山折りにする
- 下の角を上に折り上げる。裏面も同様に折る
- 目を描いたら完成
ハロウィンおばけ
【作り方】2~5歳児
- 折り紙を1枚準備する
- 白い面を上にしておき、上下の端を合わせて半分に折る
- 左右の端を合わせて四角に折り、折り目をつける
- 裏返して4つの角を中心に合わせて折る
- 右の角を1/3程に折る。左の角と上の角も同様に折る
- 右と左の角を少しだけ折り返す
- 裏返したら完成
魔女の帽子
【作り方】2~5歳児
-
- 折り紙を1枚準備する
- 白い面を角を上にしておく
- 左右の角を合わせて、三角に折りひらいて折り目をつける
- 左右の面を真ん中の線にむかって折り合わせ、ひらく
- 下の角を4のひらいた線に合わせて折る
- 裏返して、下の面を何度か折り上げ、帽子の淵の部分を作る
- 完成
かぼちゃ
【作り方】2~5歳児
- 折り紙を1枚準備する
- 白い面を上にして角を上にする
- 下の角を1/4程折る
- 左右の角を少しだけ折る
- 上下の向きを変え、折っていない角を下の角より少し狭い幅で折る
- 5で折った角を折り返して少し出す
- 裏返して完成
簡単で映える!折り紙製作を生かすアレンジとは
子ども達が一生懸命作った折り紙の作品。素敵に可愛く活用してあげたいですよね。ここでは、作った折り紙の作品をいかすアレンジ方法をご紹介します。
折り紙の作品を使って、製作を行う
1つ目は折り紙の作品を使って、新たに製作を行うことです。
例えば折り紙でいくつかの虫を作って、描いた絵に貼ったり、折り紙で作った作品で、装飾したりするなども良いでしょう。
製作に時間はかかりますが、子ども達の作品に対する達成感は大きくなるでしょう。
日々の遊びに使う
2つ目は日々の遊びに使うことです。
例えば「食べ物を作ったら、おままごとで使ってみる」「買い物ごっこ用にお財布を折り紙で作ってみる」など、作った作品を日常で使うこともおすすめです。子どもたちにとっても、折り紙が馴染みやすくなりますね。
イメージが育ってくると「ごっこ遊びで〇〇を使ってみたいから、〇〇を折り紙で折ってみたい」と、子ども達から提案されることも増えてきます。子ども達の主体性を育てるための素敵な取り組みになるでしょう。
イベントで使用する
3つ目はイベントで使用することです。
保育園では、行事の時に招待状を渡したり、何かプレゼントを作る機会も多いでしょう。何を作るか悩んでしまう時には、子ども達の作った折り紙を一緒に添えるのもおすすめです。
また、行事の時の背景として、子ども達の作品を大きな紙に飾り、1枚の作品を作るのも一体感が生まれるでしょう。
まとめ
簡単に取り入れられる折り紙遊びは、保育に取り入れるのであれば、季節感のあるものがおすすめです。
また「ただ折って終わり」ではなく、次の遊びや製作に繋げていくことで、子ども達の想像力をさらに広げる一歩につながるでしょう。是非、参考にしながら子ども達と折り紙製作をおこなってみてください。