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慣らし保育とは?子どもや保護者のために保育士が意識するポイント

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保育園では、初めて保育園に通う子どもがスムーズに環境に適応できるよう「慣らし保育」の期間を設けます。保育士のなかには「慣らし保育はみんな泣いて大変」「抱っこばかりで体力の限界」と感じる人も少なくないのではないでしょうか?

今回は、そんな慣らし保育の期間に見られる子どもや保護者の姿を紹介します。また、合わせて慣らし保育で「保育士が意識すべきポイント」も解説しますので、参考にしてみてください。

1 慣らし保育とは?

慣らし保育とは、初めて保育園に登園する子どもが新しい環境や先生、お友達に慣れるために設けられる期間です。子どもが環境の変化に慣れるためだけではなく、保護者が子どもを預けることに慣れる期間でもあります。

そのほかにも、慣らし保育には以下のようなねらいがあります。

1-1 慣らし保育のねらい

慣らし保育は、保育園に入園する子どもが環境に慣れるためにゆっくり保育を進める期間です。その間、保護者も子どもと離れる寂しさに慣れ、仕事に復帰するための準備をおこないます。

しかし、慣らし保育は子どもや保護者のためにだけおこなわれるものではありません。保育士も、初めて預かる子どもの対応には慎重になるものです。慣らし保育は、保護者と離れて不安を感じている子ども達と愛着関係を築いたり、子どもの特性を理解したりと、保育士にとっても重要な期間なのです。

1-2 慣らし保育の期間

慣らし保育の期間は、それぞれの自治体や保育園によって異なります。主に、以下のような対応を取っている保育園が多いようです。

  • 慣らし保育はおこなわない
  • 慣らし保育は希望者のみ
  • 初登園から2日間は半日保育
  • 初登園から1週間は半日保育
  • 子どもの様子によって慣らし保育の期間を決める

保育園のなかには「保育士はプロなので慣らし保育は必要ない「慣らし保育は長くすればいいというものではない」といった考えから、積極的に慣らし保育を設けないところもあります。

反対に、子ども主体で「まずは1時間から」「泣かなくなったら給食まで」「給食が食べられるようになったらお昼寝まで」と、1日保育ができるようになるまで一定の時間を設ける保育園もあります。

2 慣らし保育でみられる子どもの姿

慣らし保育が始まると、いつも一緒にいた保護者と離れた子ども達は、保育園の玄関で大泣きすることもあります。そのほか、以下のようなさまざまな反応を見せます。

2-1 登園時に保護者から離れようとしない

保育園に連れられてきた子どもは、見慣れない雰囲気と保護者の不安な気持ちを察知します。その場で大泣きして帰ろうとする子どももいれば、保護者にしがみついて離れない子どもも少なくありません。

子どもにとって、保護者と離れることは「もう二度と会えないかもしれない」という感覚なのです。保育園で過ごすことや、保護者が時間になれば迎えに来てくれるという仕組みを理解できるまで、この仕草はなくならない傾向があります。

2-2 お部屋から出ようとする

なんとか保護者と離れてお部屋に入ったとしても、その慣れない雰囲気や見たことのない保育士の存在を見て、お部屋から逃げ出そうとする子もいます。

保護者が出て行ったドアを必死に叩いて「このドアの向こうにママがいる…!」と、なんとかお部屋から出ようとする姿が見られます。

2-3 水分や食事を受け付けない

大泣きして顔が真っ赤になっていても、水分を受け付けない子どももいます。乳児であれば、母乳からミルクに変更したり、いつも使っている哺乳瓶の乳首と種類が違ったりするだけで一切受け付けないといった子どもも少なくありません。

また、給食の時間になってもかたくなに口を開かない子どもの姿も見られます。保護者がいない寂しさや不安を抱えて、必死に抵抗しているのでしょう。

2-4 保育士から離れようとしない

保育士は、子どもの不安を解消するために抱っこしたり、手を握ったりして対応します。その対応で「この人は信頼できる」と感じた子どもは、保育士から離れようとしない傾向があります。

保育士から離れようとしない姿は、保育士との信頼関係を築けて始めているともいえます。翌日も、同じ保育士が迎えるとスムーズに保育室に入れるかもしれません。

3 慣らし保育中の子どもへ保育士が意識するポイント

慣らし保育中の子どもへ保育士が意識するポイント

慣らし保育中の子ども達は、とても不安な思いを抱えています。なかには何日も泣き続けて、水分も食事も取らない子どもも珍しくありません。

反対に、涙を流さずその環境に慣れようと頑張りすぎて、ストレスを溜め込んでしまう子どももいます。そのため、保育士は以下のようなポイントに意識して優しく対応します。

3-1 子どもの好きなものや好きな歌を把握しておく

慣らし保育は、保育士にとっても「初めまして」の不安な状況です。その不安を取り除くために、子どもの好きなものや好きな歌などを把握しておくことがポイントのひとつです。入園前に保護者に書いてもらった児童表をしっかりチェックして、子どもの特性を記憶します。

どんな遊びが好きで、どんなことをしたら機嫌が悪くなるのかなどを理解し、子どもが心地よく過ごせる環境構成を模索しましょう。

3-2 特定の保育士が関わり愛着関係を築く

子どもとしっかり愛着関係を築くためには、特定の保育士がお世話するよう意識してみるのが良いでしょう。いつも同じ保育士に抱っこしてもらえれば、子どもも早くその環境に慣れることができます。

とくに乳児は、特定の保育士がオムツ交換したり、ミルクの授乳したりすることで安心感を与えられるといえるでしょう。

3-3 子どもが安心して過ごせるように無理強いしない

慣らし保育とはいえ、子ども達が泣きじゃくるなか、普段通りの保育を進める必要はありません。子ども達が安心して過ごせる環境が一番大切なので、手遊びや活動の無理強いをしないよう注意しましょう。

同じく、慣れない間に外遊びを計画するのも大変危険です。子どもの特性を理解していなければ、予想外の事故が起きる恐れがあります。しかし、外気浴が好きな子どもにはその限りではありません。不安な気持ちが紛れるのであれば、抱っこして外の空気に触れに出ても良いでしょう。

4 慣らし保育でみられる保護者の姿

初めての保育園は、子どもだけでなく保護者もさまざまな不安を抱えています。出産してからいつも一緒だった子どもと長時間離れると、心にポッカリ穴が開いた感覚に襲われることもあるでしょう。慣らし保育で見られる保護者の姿は以下のとおりです。

4-1 登園時に子どもから離れようとしない

慣らし保育の初日は、子どもが泣いて保護者から離れられないだけでなく、保護者自身も心配で離そうとしないケースもあります。「もう少し抱っこして落ち着かせてあげたい」「不安がっているので保育士に渡したくない」そう考えている人も少なくありません。

保育士に預けた後も、心配でその場から離れられない保護者もいます。それくらい、保護者にとっても初めての保育園は不安でいっぱいなのです。

4-2 保育園に預けることや仕事復帰が重なりナイーブになる

慣らし保育が始まると、保護者はとてもナイーブになります。「あんなに泣いているのに保育園に預けるなんて可哀想」「そこまでして仕事に復帰するべきだろうか?」と、仕事に復帰する自分を責めてしまう保護者も少なくありません。

また、保育園で泣いている姿を想像して「保育園の入所は先延ばしにしようか」と、考え込むこともあるようです。

4-3 些細なことでも心配になる

大切なわが子を預ける保護者は、些細なことでも心配になる傾向があります。慣らし保育が始まると、保護者からは「本当に慣れるのか?」「ずっと泣いているみたいで心配」との声が寄せられます。

それだけではなく「もっと子どもの様子を詳しく教えて欲しい」「お気に入りのおもちゃを持ち込ませてほしい」といった要望が届くことも少なくありません。

5 慣らし保育中の保護者へ保育士が意識するポイント

慣らし保育中の保護者に、保育士は親身になって寄り添い不安を取り除く役割を担っています。不安を感じている保護者には、以下のポイントを意識して対応しましょう。

5-1 明るく元気に接して信頼関係を築く

保育士は子どもに関するさまざなな知識や経験を持ち合わせています。そのため、慣らし保育を終えればほとんどの子どもが笑顔で登園できるようになるでしょう。

しかし、初めて子どもを保育園に預ける保護者は「保育士がどのように対応してくれるのか」「どんな先生がわが子を預かってくれるのか」心配でなりません。

そのため、とにかく笑顔で明るく信頼してもらえるような対応を心がける必要があります。保育士が不安そうにしていれば、保護者も感づいてしまします。「この保育士なら安心」と思ってもらえるよう、常に明るく前向きな対応を意識しましょう。

5-2 子どもの様子を丁寧に伝える

保護者は、長時間自分の元を離れた子どもの様子を詳しく知りたいと考えています。連絡帳に書いてあるお昼寝の時間やミルクの量だけでは、その様子をうかがい知ることができません。

そのため、深く関わった子どもの保護者がお迎えにきたときは、1日の様子をしっかり伝えるよう心がけましょう。とくに慣らし保育の最初は、保護者から聞かれなくても様子を伝えられるよう、日中にメモを取っておくと安心です。

5-3 どんなに忙しくても保護者と話をする時間を確保する

なかには、自分から保育士に話しかけるのが苦手というタイプの保護者も少なくありません。そのような保護者は、聞きたいことや知りたいことがあってもモヤモヤ自分だけで悩んでしまう傾向があります。

のちに、なにか保育園でトラブルがあったとき、我慢を繰り返した保護者から大きなクレームにつながることも考えられます。

そのため、保育士はどんなに忙しくても、どの保護者ともまんべんなく話ができる時間を確保しましょう。とくに話すことが思い浮かばないと場合も「〇〇ちゃん、朝泣かなくなりましたね!」「〇〇くん、今日たくさん給食食べてましたよ!」と、なにかひとつエピソードを伝えられるよう、日中の子ども達をしっかり観察することが大切です。

6 まとめ

今回は、慣らし保育の保育士の対応について解説しました。初めての保育園では、子どもだけでなく保護者も不安を感じています。少しでも早く不安を取り除けるよう、しっかりコミュニケーションを取って信頼関係を築きましょう。

また、慣らし保育の期間は子どもの特性が把握できておらず、思わぬトラブルが起きることがあります。子ども達が安心して過ごせるよう、安全には十分留意して慣らし保育期間を乗り越えましょう。

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