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異年齢保育とは?保育活動の具体例や導入するメリットとデメリットを解説

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保育園での勤務を考えたとき「異年齢保育」という言葉を聞いたことはありませんか?異年齢保育とは保育方針のひとつで、年齢ごとのクラス分けを行わずに保育する特徴があります。

就職を考える保育園が、異年齢での交流を大切にしている場合は、その特性を学んでおく必要があります。そこで今回は、異年齢保育を導入するねらいや、メリット・デメリットを解説します。

1 異年齢保育とは?保育活動に導入するねらいは?

保育園によって保育方針はさまざまで、子どもの年齢別にクラスを分けて行う「年齢別保育」や、子どもを特定の保育士がお世話する「担当制保育」、異年齢の子ども達をグループに分けて行う「異年齢保育」などがあります。

ここでは、異年齢保育の概要やねらいを詳しく解説します。

1-1 異年齢保育(縦割り保育)とは?

異年齢保育は、年齢の違う子ども達を縦に割ってクラスを作り保育するため「縦割り保育」と呼ばれることもあります。その名の通り、異年齢の子ども達を同じクラスに配置する特徴があります。

1-2 異年齢保育を導入するねらい

異年齢保育には、年齢が異なる子ども達の触れ合いを促す目的があります。昨今の日本では少子化によって、兄弟がいる家庭が少なくなっています。そのため、年齢が異なる子ども同士での関わりが希薄となっていることから、異年齢保育を取り入れている保育園が増加しているようです。

異年齢での関わりには、情緒の発達を促す効果が期待できます。年長児は自分より年下のお友達を思いやり、社会性や協調性を育みます。また、年少児は年上のお友達を見て「やってみたい」というチャレンジ精神を育み、日々の生活から刺激を受けることができます。

見本となる存在が側にいることは、成長過程に欠かせない大切なポイントです。

2 保育活動に異年齢保育を導入する具体例

異年齢保育といっても、取り入れ方は保育園によって異なります。ここでは、保育活動に異年齢保育を導入する具体例をご紹介します。

2-1 全クラスを均等に縦に割って保育を行う

まずご紹介するのは、全クラスを均等に縦に割って保育を行う方法です。ひとつのクラスに0~5歳児が混在するイメージです。全クラスを均等に縦に割ることで、まるで小規模保育園のような家庭的な保育が実現します。

2-2 乳児クラスと幼児クラスそれぞれで保育を行う

次は、乳児クラスと幼児クラスそれぞれで異年齢保育を行う方法です。乳児クラスは0~2歳児を縦割りに、幼児クラスは3~5歳児を縦割りにして保育を行います。比較的年齢が近いことから、活動に大差なく集団生活を送ることができます。

2-3 活動によって年齢ごとの保育を行う

そして、活動ごとに年齢別のクラスと異年齢クラスを切り替える方法があります。基本的には、通常通り年齢別のクラスを設けて保育を行います。そのなかで外遊びや昼食の時間など、決まった活動時間になれば異年齢のグループに振り分けて過ごすという特徴があります。

同年齢の子ども達との関わりも大切にしながら、異年齢との触れ合いも体験できる仕組みになっています。

3 異年齢保育を行うメリットとは?

異年齢保育を行うメリットとは?

異年齢保育を行うことで、たくさんのメリットを得られます。ここからは、子ども達が感じるメリットと、保育士が感じるメリットをそれぞれご紹介します。

3-1 子ども達のメリット

子ども達は、年齢の異なるお友達と接することで相手を思いやる気持ちを育めます。分からないことを優しく教えてあげたり、見本となる姿を見て刺激を受けたりします。

また、年齢に関係なく友達を作れます。スキルの異なるお友達が集まるなかで、みんなが楽しめるような遊びを提案するコミュニケーション能力が身に付くでしょう。

3-2 保育士のメリット

異年齢保育には、保育士にもメリットがあります。子ども達への指導はときに難しく、大人の言葉では伝わり切らないこともあるでしょう。異年齢保育であれば、感覚の近い子ども同士で見本を見せ合い、活動の内容を理解しやすくなります。

保育士が提案しなくても、子ども達がお互いに学び合う姿は、保育士として良い経験になるのではないでしょうか。

4 異年齢保育を行うデメリットとは?

異年齢保育では、子ども達がお互いに成長し合うメリットがある一方、いくつかデメリットもあります。ここでは、異年齢保育を導入するにあたって生じる問題をご紹介します。

4-1 子ども達のデメリット

異年齢保育を取り入れるということは、体の大きさや力の強さが異なる子ども達が一緒に生活するということです。そのため、以下のようなデメリットが生じる危険があります。
・年少児がいるなかで危険を伴う遊びが生じる
・活動内容に差がありすぎて年長児が退屈する
・「赤ちゃんだから仕方ない」と、年長児に我慢を強いることがある
・活動内容が理解できず年少児に指示が通らない
・年少児が意見を言えず萎縮してしまう

異年齢保育では、幅広い年齢に合わせた活動内容を設定するため、年長児は物足りなさを感じることもあります。例えば、絵本の内容が難しすぎては、年少児の集中力がもたないため、対象年齢の低い絵本を読むことになります。しかし、年長児は物足りないと感じてしまうため「これ知っているよ」「もう終わり~?」と、不満が漏れてしまいます。

ときには年少児が意見を強く言えず、萎縮してしまうこともあるでしょう。反対に「あなたより小さいお友達だから譲ってあげて」という場面も増えます。我慢を覚えるという観点から見れば必要なことかもしれませんが、年長児への精神的な負担が大きいことも事実です。

4-2 保育士のデメリット

異年齢保育を取り入れることで、保育士にも以下のようなデメリットが考えられます。

・幅広い年齢に対応する活動を考えなければならない
・絵本や紙芝居の選定が難しい
・体格の違う子ども達が集団生活を行うため危機管理の徹底が必須

お座りが安定しない子どもの横で、走り回る子がいれば大変危険です。年齢別の保育とは違った目線での危機管理が必要になり、保育士の注意力や観察力が求められます。ときにはクラスのなかを仕切りで分ける対策が必要になるでしょう。

5【Q&A】異年齢保育を取り入れる保育園に関するよくある質問

勤務を希望している保育園が、異年齢保育を取り入れていると知って戸惑っている保育士も多いのではないでしょうか?そこでここからは、異年齢保育に関するよくある質問にお答えします。

5-1 Q: 異年齢保育を実施している保育園にはどのような保育士が合いますか?

  • A:家庭的的な保育を希望している保育士

保育士によっては、クラス運営を希望する人も多いのではないでしょうか?クラスみんなで行事を作り上げたり、1年間の成長を楽しみにしているという保育士に異年齢保育は向かないかもしれません。

異年齢保育は、年齢の異なる子ども達が集団生活を行います。ときには自分の本当の兄弟のようにケンカしたり譲り合ったりすることもあるでしょう。そのような、家庭的な雰囲気を大切にしたいと考える保育士に向いているといえます。

5-2 Q: 異年齢保育を行う際の、注意点を教えてください

  • A:子どもとしっかり見守る姿勢と、適切な遊びの提供に注意しましょう

異年齢保育には、危険がつきものです。ハイハイしている0歳児と、走り回る2歳児が同じ部屋で過ごすわけですから、トラブルがあってもおかしくありません。また、一定の年齢に偏った保育を行うと、他の子ども達の成長の妨げになりかねません。

異年齢保育を行うためには子どもとしっかり見守る姿勢と、適切な遊びの提供に注意しましょう。ときにはクラス内をしきって、それぞれが満足する活動を取り入れる必要もあります。

また、異年齢保育のポイントは、異年齢が触れ合うことにあります。子ども同士がスキンシップを取れるようなふれあい遊びは積極的に取り入れましょう。

6 まとめ

今回は、異年齢保育の特徴について解説しました。

異年齢保育には、年齢の異なる子ども同士の関わりを促す目的があります。年長児の姿に憧れチャレンジ精神を育むこともあれば、年少児の姿に思いやりの心を育むこともあるでしょう。

しかし、異年齢保育を取り入れている保育園でも、子どもたち全員が満足できる遊びを提供する必要があります。異年齢保育特有の危機管理も重要です。

異年齢保育を行う保育園での勤務を希望している場合は、その特徴や関わり方をおさえ、子どもたちが伸び伸び生活できるよう工夫してみてください。

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