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預かり保育と一時保育の違いは何?制度やサービス内容をご紹介【有資格者向け】

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「預かり保育」も「一時保育」も、保育現場でよく見聞きする言葉です。子育て中の方や、幼稚園・保育園などで働いている方なら、馴染みのある言葉でしょう。

ただ、2つの制度内容は言葉の響きが似ており、「子どもに関する制度」という共通点があることから混同しやすく、違いをしっかりと理解できている方はそう多くはありません。そこで今回は、預かり保育と一時保育の違いや、制度内容を詳しく解説します。

子どもを預けたいと思っている方はもちろん、「資格を活かして働きたい」と思っている保育士・幼稚園教諭の方もぜひ参考にしてみてください。

表で解説!預かり保育と一時保育の違い

まずは、預かり保育と一時保育の制度内容や大きな違いを確認しましょう。重要な部分をピックアップし、表にしてまとめました。

預かり保育 一時保育
実施施設 幼稚園・認定こども園 幼稚園・保育所・認定こども園
利用対象 3歳以上の在園児のみ 園に在籍しているかどうかに関わらず利用可能(規定あり)
利用時間 保育終了後から18時ごろまで 申し込みをした日時(園により異なる)
預かる理由 園により異なる 理由は問わない

(参考:内閣府、子ども・子育て支援制度についてhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/setsumei.pdf

(参考:内閣府、一時預かり事業についてhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h270310/pdf/s2-1.pdf

預かり保育は在園時のみ利用可能で、保育終了後から閉園時間までと預かり時間が比較的短いのに対し、一時保育は園に在籍していない子でも利用でき、申し込み日時に合わせて預かるところが大きな違いです。

園により規定が異なる部分もあるので、詳しい条件や詳細が気になる場合は電話やメールで確認してみましょう。

預かり保育ってどんな制度?

預かり保育ってどんな制度?

詳しい制度内容が気になる方も多いことでしょう。ここからは、主に幼稚園で行われる預かり保育の制度内容について解説していきます。

預かり保育とは

預かり保育は、幼稚園やこども園で保育時間終了後に、引き続き子どもを預かるサービスです。「預かり保育」の他にも「延長保育」と呼ぶこともあります。自治体が運営主体となり行っている「地域子ども・子育て支援事業」の一環です。

幼稚園の保育時間は13時~15時ごろまでですが、その後も保育が必要な状態の方に対して、一定の時間預かることができます。また、預かることができるのは在園時のみです。「預かり保育」は、園に在園していない子どもは利用することができません。

利用目的

利用目的は保護者によりさまざまですが、利用条件を設定している園もあります。いつでも、どのような理由でも預かり保育に申し込みできる場合もあれば、「仕事をしている保護者のみ」「急用がある場合のみ」など利用条件が決まっている場合もあります。

在園している幼稚園に預かり保育があり、利用対象として一致した場合は、事前に園に申請することで預かり保育を利用することが可能です。

スケジュール

預かり保育を行う場合の園児の1日のスケジュールを確認すると、イメージしやすくなるでしょう。保育内容や設定時間は園により異なるものなので、モデルケースとして参考にしてみてください。

時間 保育内容
7:00~ 保育時間開始までの早朝の預かり保育
8:30~ 登園開始(全員集まるまで室内遊び・外遊び)
10:00~ 保育開始(朝の会・主活動・課内活動など)
12:00~ 昼食(お弁当・給食)
12:45~ 午後の活動(制作や行事の練習、外遊びなど)
13:30~ 降園準備(帰りの会)
14:00~ 降園・預かり保育開始(おやつ・外遊びなど)
18:00ごろ 預かり保育終了・閉園

バス降園、保護者のお迎えなどで園児が順次降園しますが、預かり保育を行う子どもは、かばんを持って預かり保育を行う保育室に移動します。他のクラス・学年の子どもたちと集まり、担当の幼稚園教諭が保育を行うのが一般的です。

保育内容

幼稚園は文部科学省の管轄となりますが、文部科学省は「幼稚園教育要領」にて教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動と位置づけています。

つまり自由に遊ばせるだけでなく、幼稚園として教育的な指導を行うことも可能です。制作活動や保育者の用意したゲームなどを行うこともあります。

ただ、園や担当の幼稚園教諭により行う保育内容はさまざまですが、一般的には15時ごろにはおやつを食べ、他の時間は外遊びや室内遊びをして過ごすことが多いでしょう。

預かり保育での働き方

預かり保育の担当として働いてみたい方や興味を持つ方もいるでしょう。預かり保育の担当者として働くための方法をご紹介します。

預かり保育を行う幼稚園の割合

預かり保育は、どの幼稚園・こども園でも必ず実施しているわけではありません。ただ、幼稚園教育要領の新制度として「子育て支援」が追加されたことにより、新制度に加入している園は預かり保育を行わなければならなくなりました。

文部科学省が令和元年に発表した資料によると、預かり保育を実施している園は公立で70.5%、私立で96.9%、全体で87.8%となっています。ほとんどの園で預かり保育を行っているのが現状です。

必要な資格は幅広い

14~18時ごろまでと、勤務時間は比較的短めです。そのため、保育科に通う学生や結婚・出産などのタイミングで一度職を離れた方でも働きやすい環境といえるでしょう。

預かり保育を行う保育者は、正社員の幼稚園教諭や保育士が行う場合もありますが、パートやアルバイトで専属の担当者を募集する場合も少なくありません。必要な資格条件については、以下を参考にしましょう。

  • 1.担当職員の3分の1を保育士又は幼稚園教諭免許状所有者とする
  • 2.教育・保育に関して一定の知識を持つ小学校教諭・養護教諭を配置可能とする
  • 3.幼稚園教諭教育過程および保育士養成課程を履修中で、教育・保育に関して一定の知識を持つ学生を配置可能にする

(出典:内閣府:一時預かり事業(幼稚園型)における担当職員の資格要件の緩和についてhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_27/pdf/s5.pdf

保育士・幼稚園教諭の有資格者の確保が難しいことから、幅広い資格が対象となるよう制度が変更になりました。

一時保育の内容は?

一時保育の内容は?

預かり保育と似たような言葉である一時保育の詳しい制度内容も確認していきましょう。利用目的や保育スケジュールなどを調べてまとめました。

一時保育とは

何らかの理由で子どもを見ることができない場合に、預けることができる制度です。1日のみ、3時間のみなど必要とする日時にピンポイントで預けることができる場合が多く、便利なサービスといえます。

認可保育園、認定こども園、地域のファミリーサポートセンターなどで一時保育のサービスを提供していますが、どの施設でも必ず行っているというわけではありません。また、利用できる子どもの年齢は、施設によって異なります。

利用目的

基本的には、保育を必要とする状態であれば申請することができます。仕事や家庭の事情はもちろん、友達と合う、美容院に行くなどのリフレッシュが目的の場合でも問題ありません。ただ、緊急性が高い理由の方が優先される可能性はあります。

利用時には事前の申請が必要で、それに伴い面談や子どもの状況の確認を行います。また、利用できる時間・日数には決まりがあるので、通常の保育園と同じように通うことは難しいのが現状です。認可保育園では、使用目的・理由を申告する必要があることも併せて覚えておきましょう。

スケジュール

預け入れ可能な施設がどこか(幼稚園、保育所など)によって、一日のスケジュールは大きく異なります。ここでは、一般的な保育所の一日の流れをご紹介します。

時間 保育内容
7:00~ 延長保育・登園(室内遊び・外遊びなど)
9:30~ 保育開始(朝の会・主活動・遊びなど)
11:30~ 昼食(給食)
12:15~ 午睡(お昼寝)
15:00~ 午後の活動(室内遊び・外遊びなど)
15:30~ 降園準備(帰りの会)
16:00~ 降園・延長保育開始
19:00ごろ 延長保育終了・閉園

一時保育の子も、保育園児と同じように生活することもありますし、一時保育の担当保育者と過ごすこともあります。

保育内容

保育内容は、保育所や認定こども園は比較的遊びが多い内容になっています。保育所は厚生労働省の管轄で、利用者は保育を必要とする子どもが対象です。

保育士は保護者に代わり子どもを保育・サポートするために存在します。そのため、教育的な内容よりは「遊び」がメインで、家庭に代わり安心して過ごせる場所を提供しようとする園が多いのが現状です。

また、一般的な幼稚園にはない「午睡(お昼寝)」やおやつの時間があるのも保育所ならではの特徴でしょう。

一時保育での働き方

一時保育は、常に同じ子どもを預かるわけではないので大変さもありますが、園行事や進学まで援助する担任ほど忙しくないため、働いてみたいと思う方もいることでしょう。ここでは、一時保育での働き方について解説します。

一時保育を行う保育園の割合

都道府県によって子育て支援の状況は異なりますが、厚生労働省のデータによると全国的に一時保育を行う施設が増えていることが分かります。

平成21年度 平成25年度 令和元年度
6,027 か所 7,903か所 10,580か所

(参考:厚生労働省、各自治体の多様な保育及び障害児保育の実施状況についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000155415.html

一時保育を行っている施設は全国で1万か所以上あるため、比較的見つけやすいのではないでしょうか。一時保育の担当保育士として働きたい方は、保育所や託児所、こども園などを探してみましょう。

資格がなくても補助ならできる可能性あり

基本的には、一時保育の担当職員になるためには、保育士資格が必要な場合がほとんどです。人手不足の現状から、ブランクありや職務経験がなくても応募可能としている求人もあります。

また、「保育補助」という保育士のサポートをする仕事もあります。保育士を目指す学生や保育経験豊富な女性などは、園から採用を受ければ保育所で働くことが可能です。興味がある方は、チャレンジしてみましょう。

まとめ|資格を活かして多様な働き方ができる

預かり保育は、主に幼稚園で行われる延長保育です。一方、一時保育は保育所やこども園で行われる託児サービスといえます。利用対象者や利用時間には大きな違いがあるので、注意しましょう。

保育士や幼稚園教諭の資格や職務経験がある方、保育を勉強中の学生などにおすすめです。特に預かり保育は、勤務時間が短いためパートやアルバイトとして働きやすい環境でしょう。

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